考え方

経験談こそ、情報社会の中で最も価値がある

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現代は、情報社会です。情報が瞬時に手に入る時代です。インターネットが普及し、誰もが簡単に知識やデータにアクセスできるようになりました情報の非対称性という情報量の格差の問題は、徐々になくなりつつあります。

このような状況下で、最も価値がある情報は「個人の経験談」であると私は考えています。

情報の発信者が、他の人と違いを作れるかはここにかかっているのではないかと思います。

個人的な経験談がなぜ最も価値がある情報なのか、その理由を考えてみたいと思います。

① 科学信仰の現代

現代は、科学信仰の時代だと感じています。

科学的であり、論理的であることが真である。そういう時代です。

筋トレの世界で言えば、多くのトレーニーが「科学的に正しい筋トレのやり方」「科学的に正しい栄養の摂取方法」など、研究がなされ、科学的に証明された「正しい」実践方法を発信しています。

「科学的に正しい」ことを発信することが、自分の発言の信頼性を高め、権威づけることにつながります。

管理人
管理人

私も本業は科学者ですので、科学的で論理的な情報発信をするように心がけています。

一方、理論のない情報発信、科学的に真であることが明らかではない情報発信は受け入れられません。

理論により裏付けされない情報は、納得感がないからです。

科学的に説明なしでは世に受け入れられない。そんな色合いが濃くなってきた時代のように思います。

② 科学的であるとは、再現性があるということ

情報の受け手が求めているのは、「その情報が自分の役に立つのか?自分にもできることなのか?」、つまり再現性があるのか、ということに他なりません。

「再現性」、この言葉がキーワードです。「同じ方法でやっていれば、誰が何度やっても同じ結果が出る」、これが再現性です。

そして、「科学的である」とは、まさに「再現性がある」ことを意味します。

科学的に証明された方法なのであれば、誰がやっても同じ結果になるはずだから、多くの人にとって価値のある情報発信になるはずです。

研究により裏付けされた科学的な情報発信をしている発信者が多くなってきているのも理解できます。

③ 再現性があるとは、オリジナリティがないということ

ただ、科学的な情報発信には大きな落とし穴があります。

それは、「発信内容にオリジナリティが出ないこと」です。

科学的であるとは再現性があるということですが、再現性があるということは、誰もが同じ正解に行き着くということでもあります。

つまり、科学的であろうとすればするほど、発信内容が他の発信者と重複してしまい、自分の発信内容の価値が薄くなってしまう、というジレンマが出てしまうのです。

私もトレーニーとして、数多くの筋トレYouTuberの方の発信を見てきました。筋肉を効率良く増やしていく方法や、筋肉をなるべく残しながら減量する方法など。

そこでやはり痛感したのは、どなたも言っていることは変わらない、という事実です。

でも、それは当然なんです。科学的に正しいことを伝えようとすると、同じ答えに行き着いてしまうのが科学として正しいのですから。

管理人
管理人

科学的でかつオリジナリティのある発信をするのは、科学の性質上、本当に難しいことなんです。

④ 個人の経験談は、常にオリジナルである

かといって、逆張りで非科学的な情報発信をするのは当然良くありません。

発信内容にオリジナリティを出したいと考えたとき、「個人の経験談」を発信するのが良いのではないかというのが私の考えです。

経験談は当然自分が経験したことの発信なので、事実の発信であり嘘ではありません。

そして、個人の経験談は常に唯一無二の経験で、オリジナリティがあります

管理人
管理人

再現性があるかどうかは別にして、事実であり、かつオリジナリティのある発信ができるという強みがありますね。

科学的にどうかは分からないけど、自分はこういう筋トレを取り入れたらより身体が大きくなったとか、ある食べ物を摂るようになったらより脂肪が落ちやすくなったとか。

そういう個別具体的な情報発信に価値がある時代になってきているように思います。

既存の理論で説明できることだけが、科学的に正しいことではありません。

個人の経験から得られるデータから、また新たな科学的知見が生まれていきます。

新たな理論を構築するための材料としても、個人の経験談を発信することには大きな価値があると私は考えています。

⑤ 最後に

私も科学者なので、科学的・論理的であろうとする気持ちは大いに分かるのですが、それだけでは価値のある存在にはなれないなあということを、日々の中で実感しています。

正しさを重要視しすぎるあまり、面白みに欠ける人間にならないように気をつけないとなあと思う日々です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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